サンタクロースのプレゼント作り




それはシナモンをいれたミルクティーが香る部屋だった。
レインとブライトは、プリンセス・グレイスに頼まれたプレゼント包みのお仕事に追われている。
もうずいぶん前から二人とも無言で、手だけを熱心に動かしていた。
それでも、時折レインはそっと顔をあげてブライトのほうをみる。
真剣な、それでいて口元にはほほ笑みを浮かべているような表情に、
レインはトクトクと早くなる胸の内を隠してまたリボンを手にした。
部屋の中はもうリボンときれいな包みだらけだ。赤、青、金、銀、緑、ピンクさまざまな色があふれ返っている。
そんなプレゼントの山のなかで、二人はまさにサンタクロースのもとでお手伝いをするといわれる妖精さながらにせっせとラッピングをしていった。

「レイン」

びくっ、とレインの手が止まる。あまりに集中していたために、突然かかった声に驚いたのだ。
「ごめん」
と、ブライトが苦笑いをした。
「いいえ、こっちこそ…どうしたんです、ブライト様?」
「いや、もう一度お茶をいれようかと思って…レインも飲むでしょう?」
レインは嬉しそうにほほ笑むと、ハイ、といった。

――ねえ、レイン
――なんですか?
――さっきね、君のプレゼントを包んだよ
――えっ……私のプレゼント、なにでしたか?


 お仕事が終わるまで
 ないしょ

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湖葉沙紗さんからいただいた小説です♪
本当は湖葉さんのサイトに掲載されていたものなのですが、
私のためにこのブラレイを書いてくださったということで!!(嬉) いただいてしまいました!
ほのぼのブラレイがツボすぎてもう……v
ないしょ、という王子の顔が幸せそうに見えます。素敵な小説をありがとうございました!
続きにこれまたセットでいただいた、ファンとシェイドの話もありますのでどぞご覧になってくださいね!

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