普段立ち入り禁止となっている傭兵団寄宿舎内への潜入を試みた我々!
遠くから飛んできたダガーに当たりそうになったり、
仕掛けられていたワナにはまったりと命の危険は犯したものの、
一説には魔物の巣窟よりアブナイといわれる寄宿舎になんとか潜入することができ、
数名の傭兵団員の生情報を聞き出す事ができた。
ただ、実名にすると、その人たちの人権が侵害される恐れがあるので、
頭文字で表示することにする。

傭兵団員T
「ああ…雪合戦ね…あったわよ。昨日。
 久しぶりだったんだけど、前あった時とは比べ物にならないくらいすっごく大変だったわ…
 だいたい、キ●●(←伏せ字)が爆弾投げ出すのが悪いのよね。
 それが発端でいつもあーなるんだから…」

傭兵団員?K
「『雪合戦』にゃん?あれは楽しかったにゃーん。
 でも…おんなじくらい疲れたにゃーん…
 ん?なんで爆弾投げたのかってにゃん?
 テ●●●●がキ●●(←やっぱり伏せ字)ばっかり雪玉当てるからにゃん!!
 雪玉でも当たると痛いのにゃん!!冷たいのにゃん!!」

傭兵団員J
「雪合戦…ですか?ああ、あれは…やっぱり大変でしたね。
 なんとか僕のチームが勝ったんですけど…
 相手チームもみんな強くて…
 でも、みんなそれぞれの鍛練の成果が見えて、
 疲れたけど、とても充実した『雪合戦』だったと思います。
 …少なくとも、僕はそう思いたいです…。」

傭兵団員:H
「雪合戦…は辛かったよ…。
 テ●●●●のエアスライサー連続攻撃も
 ジ●●●の召喚魔法も辛かったけど
 一番嫌だったのはア●●―●の毒攻撃!!
 あの毒ってなかなか後になっても抜けないんだよ…
 どんな材料使ってるんだろ…。」

傭兵団員M
「『雪合戦』…?ああっもうその言葉言わないでほしいわっ!!
 あれのお陰で、あちこち怪我するわ、火傷するわで
 体全体ボロボロなのよっ!!
 化粧ののりも甘いし…って…え?化粧ののりが甘いのはいつものこと?
 ジ●●●…あなた…イクスプロージョンでふっとばされたいのかしら…?」

傭兵団員J
「ふっとばされるのは、遠慮しておきます。
 でも傭兵団の雪合戦…は読んで時の如く「合戦」ですよ。
 二つのチームに別れて「合戦」するんですが、これがとても凄まじくてね。
 最初はただ、普通に雪玉投げて相手にあてるだけなんですが、
 だんだん、爆弾、飛び道具、とエスカレートしていきまして、
 遂には、魔法、剣までありのサドンデス・バトルになってしまうんですよ。
 大抵、一方のチーム全員瀕死になるまで続くんです。
 もちろん、勝利チームだって、瀕死者はでますし、
 生き残った者も重傷者ばかりです。
 当然の如く回復薬を大量に使って、在庫不足になるんですよねぇ。
 私、体育会系じゃなく、頭脳系なんで、結構キツいんですよ…」

傭兵の皆さん(特に某J氏!)の証言で、
遂に傭兵団が行っているという『雪合戦』の全貌を掴んだ!!
だがそれは、我々の想像を遥かに超えた、正に『命懸けの』勝負そのものだったのだ!
『雪合戦』の詳細が分かった暁には、大々的に新聞で報道するつもりだったが、
我々はこの事を白紙に戻す事に決定した。
公開するとどんな仕打ちが待っているか、考えるだけでも恐ろしいからとかそういうことではない!
我々は思ったのだ!
この気高き戦士たちが己の力全てを出し切って、鍛練し合う様を騒ぎ立てたりするのは、
実に愚かなことだと!
だからこそ、我々は全てを無かった事にしようと決めた。
このファイルも、もう開かれる事は無くなるだろう。
だが、我々の治安を守ってくれている傭兵団の団員の皆さんを応援することに
なんら変わりはない!
ガンバレ傭兵団!!我々はあなたがたを誇りとし、これからも見つめていくだろう!



…建物の影から!!!




by エステロミア新聞社。社員一同。



おわり…。



もともとは「クリスマスのその日に」
のオマケとして書いたものでしたが、
なんとなくギャグすぎたので当時の掲示板に投稿することができず、
ずっとお蔵入りになっていたものでした。

……アホですいません。

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