雪合戦の謎
こちらはエステロミア情報局。
我々は日々、エバンアタウ大陸全体に
このエステロミアとう王国を魔物等、マイナスイメージを除いたよい意味でアピールせんがために活動する社会組織である。
エステロミア内の特産物や、各種行事というまあよくある情報から、王室の裏側で起こった珍事件まで、
幅広く情報を集め、独自の機関紙に掲載するのが我々の仕事であり、また誇らしい使命だ。
そんな我々のもとに、エステロミア傭兵団で、ある程度雪が積もると、『雪合戦』なるものが行われる、という情報が舞い込んだ。
一般人ならともかく、傭兵団とあろうものが
雪の積もる日に『雪合戦』するというのも驚きだが、
それ以前に、垂れ込まれた情報によると、雪合戦なるものは『実戦さながらの勝負』になるという。
それはどういうことなのだろうか?
我々はこの情報に興味を持ち、詳細を調べてみる事にした。
まず、傭兵団の寄宿舎の近くに面している町の方々に聞き取りを行ってみた。
町人A:「雪合戦〜?そんなのやってるって噂、聞いた事もねぇよ。
ああ、でも言われてみれば雪が積もった日は、寄宿舎の方が騒がしいのは確かだな」
主婦C:「ええ…確かに雪の積もった日は、悲鳴や、怒声に似た声があちらから
聞こえてくるのは確かよ。え?雪合戦してるんじゃないのかって?
そんな溌剌とした声じゃないわ。もっと…こう…命懸けの勝負をしているような…」
商人B:「いらっはいませー。おおっ!あんさん、えろう顔色が悪いでんな。
そんなことだと、その内急にぶっ倒れてそのまま動かなくなってしまいまっせ。
日々の健康管理が、毎日を良く生きるための秘訣なんですがな。
そこでどうやろ?このエステロミア名物の薬用酒!その名も「ケンコーニナール」!!
アホな名前やけどこれがえろう効くんですがな!まず体の新陳代謝を強めて…ってはい?
なに?なんか買いにきたんとちゃう?
傭兵団の雪合戦?…聞いた事ありまへんなあ。
あ、でも知り合いの大きな商店の店主が、雪の積もった次の日は、
必ず傭兵団の者がキュアポーションやアンチドートやらの回復系の薬ばかり
大量に買って行くって言うてはりましたなぁ。
それがなんか関係あるんやろか?」
うーむ…「雪の積もった日」に「命懸けの何か」をしているというのは分かったが、
いまいち雪合戦と結びつかない…
我々は、更に調査すべく、傭兵団奇宿舎と隣あって建っているエステロミア城関係者の方々に
事情を聞いてみることにした。
メイドD:「雪合戦…ですか?ああ…最近されていませんでしたけど、
つい先日、されたってことは聞きましたわ。
え?もっと詳しく教えてくれ?
あ、でも実際に見た訳ではないので私にはよく分かりません…
ただ…その光景を目撃した私の友達は「凄まじかった…」
と半ば放心状態で言っていました。
…何が「凄まじかった」んでしょうね?」
メイドE:「そうっ!そうなのよっ!!とにかくすごかったのよっっっ!!
ひゅんひゅんどかーーーーんっ!!
ばしっばしっシュシュシュシュッ
って感じで!!
は?何?もっと具体的に教えろって??
だからっ!!ひゅんひゅんどかーーーーーんっ!!!
以下、同じ事の繰り返しのため、カット)」
使者F:「ああ…雪合戦ですか。
そうですね。雪の積もった日は大抵なされているようですよ。
え?凄まじい?それはそうでしょうね。
なんでも、雪玉の他に、爆弾や飛び道具等、様々なものが飛び交うそうですから。
……って、あっ!申し訳ありません。
私、急ぎの用があったのをすっかり忘れていました!!
申し訳ありませんが、この辺で失礼させて頂きます。
ま…間に合うか…?(と言って全速力で去って行く)」
この聴取で、なんとなくぼやけていた『雪合戦』の全体像が見え始めてきたようだ…!
だが、まだ情報が少ない。もっと確固たる確証が必要だ。
そう思った我々は、普段、立ち入り禁止となっている傭兵団寄宿舎内への潜入を試みた。
衝撃の事実は次ページにつづく!(あおり文句)