夏だ!祭だ!ということで、2006年8月1日〜12日に開催された「2人祭」のログです。
「ほらほら!ゼフィールもピースピース!!」
「・・・そうはいわれてもな・・・」
「なんなら、一本指立てておくだけでいいからさ!
ね!折角なんだし楽しもうよ!!」
「・・・・・・・・・」
「ねぇねぇもういっかい!もういっかいよんで!!」
「・・・何回も読んだから、もういいだろう・・」
「ねぇもういっかい!もういっかいだけ!!」
何度と無く続いた会話が、また繰り返されている。
暗記が出来るほど読んだであろう絵本を今日もまた開き、
この子供に読んで聞かせたのは、今日だけで何度目だろうか。
情感などへったくれもなく、
そのまま棒読みにただ読んでいるだけだというのに、彼女は真剣に聞いている。
その聞き入っている姿には、何が楽しいのだろうかと、こちらが思ってしまうほどだ。
その彼女は今も、期待に満ちた表情で、こちらを一心に見つめていた。
ふう、と一息のため息をつく。
「・・・分かった。じゃあ、本当に、もう一回だけだからな。」
「うん!!」
「むかしむかしあるところに・・・」
相変わらずの調子で紡ぎ始めた言葉に、
それでも彼女は嬉しそうに聞き入っている。
ほんとうに、彼女・・・ティティスは不思議な子供だと思いつつ、
それをしている自分がイヤではないことに、
自分でも内心驚いていた。
風の歌が、聞こえる。
エステロミア警察署は
エバンアタウ大陸の平和を守る組織の名。
そこには美人でちょっと年増(を)の名警部がいるそうな。
難問疑問、盗難強盗、なんでもござれの名警部、
しかし、任務がないときは、雑誌片手にひとあくび。
「リオン、お茶」
「またかよ警部・・・(泣)」
警部の仕事も回されて、八方塞がりリオン刑事。
それでも、いろいろ怖いから、
いそいそ命令に従うしかなし。
同僚見ぬふり、リオン不利
それが日常、平和の印。
それが警察署の日常なり!
鏡の向こう側には、もう1人の自分がいた。
目を逸らすこともできずに見つめると、
あいつがふっと笑った気がした。
それは嘲笑か、憐れみか、それとも・・・