慟 哭




彼女の澄んだ瞳がやさしくブライトを見詰めた。
柔らかに微笑んだ彼女は囁く。





「あなたは、ひとりじゃない」





そう言って、彼女はそっと手を伸ばした。

刹那、ブライトは心の琴線が震えたことをはっきりと感じ取った。



求めていた。



望んでいた。



ずっと、ずっと、待っていた。



それが唯一つの願いだったと知ったとき――


差し出されたその手に、抗うことなんてできなかった。
ブライトは両の手で、彼女の温かな手を握り締める。

そして――

彼は、哭く。
無垢な赤子が泣くように――
ブライトは、哭いた。




漣さんから頂きました。
漣さんの某サイト様にて掲載されていたこの文に惚れこみ、
持ち帰ってもいいとの許可を頂いたので掲載させて頂きましたv
切なさと優しさが染み渡っていてああ、彼は戻ったのだなというなんともいえない感慨が湧き上がってくるようです・・・
「彼女」が誰なのかは明記されてませんが、きっとあの子でしょうね。

漣さん、素敵な文章と掲載許可、本当にありがとうございましたv


背景素材は「空中庭園」さんからお借りしましたv

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