あとがき 〜 After Word 〜
さてさて、最後です。
もし……ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、
本当にありがとうございました!
これが最後の駄文です。読んでいただけたら幸いです。
……最初にふたごジャンルを終わらせようと思ったとき、
最後に私が見たかったものはなんだっただろうと改めて考えた時、
気づいたのは、「ブライトとレインの関係」でした。
私が一番最初に「ふたご」が好きだと自覚したのは、
13話で、ブライトがレインをルビーの乗せて、走り出したところだったんですよね。
最初はレインの恋が可愛いなと思って、そんで王子と仲良くなれればいいね!と
思っていただけだったんですが……
ブライトが黒化するわ、それに連れてレインの恋愛描写はほぼ皆無になるわ、
話がよもや予想だにしなかった方向にいって、
1人取り残されたといっても過言ではないブライトに思いが偏ってしまったというのが
リアルで見ていた頃の現実だったのではないかなと今ではしみじみ思います。
特に一番キツかったのが、レインのブライトへの「好き」という思いが消えてしまったこと。
あれは地味だけどかなりショックでした。
だってあんだけ好きだ好きだと言ってたのに、
黒化した瞬間から心配もせずただお気楽にいるってどうなんだ……と
彼女を見ながら思ったことは数知れず。
だけど、最後の最後には2人でまとまったような感じになるし、と。
これは本当に納得がいきませんでした。
納得がいかなくても本編は本編で、受け入れるしかない。
『GYU』というパラレル(と私は思っています)をはさんで、
ふたご自体も終了し、他ジャンルででかい企画の主催者になってしまったのもあって、
彼らのことをしっかり見ないまま、大分月日が経ちました。
そして、今回、
その後2人はどうなったのか……
ふと、考えて、いざ、改めて、2人を見つめたとき……
私の中の2人は変わっていました。
本編のあらゆる問題や、消化不良部分も見つめた上で、
2人はお互いが大事だという事に、気づいて、
一緒にいるという選択をしてくれました。
……いや、これ書いていると、お前が書いたんだろ!と
手痛いツッコミをうけそうですが、
私はこの話を書いたという自覚は実はありません。
私の中にいる、彼ら…『ふしぎ星』にいる彼らがこれらの行動を取ったんです。
その証拠に、この一連の話は2日で書いたんですが、
その間、私はユメでも見てるかのように言葉が次から次へと
彼らの思いが次から次へとまるで映画を見るように浮かんできました。
これは正しく、私が話を作ろうとしたんでなく、
彼らが、私を動かして、最後の話を書き写させてくれたことに他ならない、と
今では、本当にそう思います。
いろんなことがあって、いろんなことを見つめて、彼らはここまで来たんだなと思います。
そして、これからもいろんなことに、人に、感動に、出会っていくんだろうなと思います。
2人を乗せたルビーが走り始めたのが私の『ふたご』であるとするならば、
今は、その去り行く背中を見つめる時なのでしょう。
これからの彼らの人生を私が見つめることはもうないのでしょう。
だけど、きっと彼らはまたどこかで時に弾けるように楽しく、時に悲しみを味わいながら
生きていくのだろうと思います。
「あの人たち、今頃どうしてるかな」
ふと、そう思い出す時に、彼らが笑っている姿が目に浮かびますように。
……ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
これを読んでくださった貴方に、最大の感謝を!
またどこかで、お会いできたら、幸いです。
2009年3月末 たふあ るるく