「・・・ブウモ・・・」

ブウモの顔が間抜け(汗)

「ブモ・・・」
2人の間に、懐かしさと、気まずさがない交ぜになったような空気が流れる。
暫く形容しがたい雰囲気のまま沈黙がながれたが、その重い空気を払うように、ブライトは思い切って口を開いた。

「・・・その・・・以前僕は・・・君にとてもひどいことをしてしまったと、思う・・・」

気まずさから、視線を左右に揺らしてゆっくりと話していたブライトは、
そこで意を決したのか、今まで逸らしていたブウモの顔をまっすぐに見据えた。

「 今になって謝っても赦してくれないかもしれないけど・・・
それでも、僕は君に謝りたいんだ。あの時は、本当に、ごめんね・・・ブウモ。
・・・そしてありがとう。あの時、闇に魅入られた僕の側に居てくれて。」

心からの悔いと、感謝の思いを乗せた言葉とともに、屈託のない笑みが零れ出る。
柔らかく、でも、どこともなく影を潜ませている笑みは、まだどこかでわだかまっていたブウモの心を溶かしていった。

「別に、お前が謝ることはないでブモ」
表情を読み取られないためか、幾分そっぽを向きつつもいつもの調子でブウモはいった。
ブライトの表情が、「え?」という小さな驚きのものへと変わる。

「お前を闇に染まらせたのは・・・闇の力に魅入られていたとはいえ、他でもないオレ様でブモ。
一緒に居たのも、世界を闇に染まらせるのに、お前を利用していただけに過ぎないでブモ。
そして、あの時・・・パールちゃんのためとはいえ、お前を裏切ったのも、またオレ様でブモ・・・
・・・だから、お前が謝ることはないんでブモ、寧ろ、謝るのはオレ様の方なんでブモ・・・。」

とつとつとして語るブウモには、言葉には出ていないものの、
表情に、声に、明らかな悔い・・・「ごめんなさい」の色が滲んでいた。
それを察したブライトの表情がふわり、と温かくなる。

「いいよ、僕も悪かったんだし、ね。気にしないでよ、ブウモ。」
「べ、べつに気にしてなんていないでブモ!た、ただ事実をいったまでで・・・」
「ふふ、ブウモ赤くなってるよ?」
「ブ・・・ブモ・・・!?」
以前のような掛け合いと、以前のようなブウモの反応に、なんだか嬉しくて、
ブライトは久しぶりに声を出して笑っていた。
つられて、ブウモの表情も自然と笑顔に綻んでいく。

闇に魅入られていた1人の王子と一匹の妖精は、こうしてやっと本当の「友達」になれたのだ。




王子、悔恨バージョン。個人的に、本当にあってほしい本命な出会い方だったり。
ブライトとブウモ・・・闇化当初では、ナイスコンビな彼らでしたが、間合いや気があったとしても、
その実、心は通じてなかったとおもってます。
利害が一致していたから一緒に動いていただけなんですよね・・・。
だから、お互いにお互いのことをまた新たな目をもって見てほしいなと思ったのでこんな感じに。
前のようにとは言わないまでも、この2人の新たなコンビを見てみたいです*

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