
「このバカ!大バカ!アホ神子ゼロス!」
邂逅一番に殴られるだろうと覚悟していた彼女が、助けに来た俺の顔を見るなり、
人目も憚らず俺に抱きついてきたのは正直驚いた。
意外な行動にいつもの軽口すらも叩けず、ただ呆けていると、
バカバカといつもの罵声が耳元に届く。
声の調子が震えているのは涙をこらえているからだろうか。
彼女は彼女なりに、自分を心配していてくれたのだろうと思った途端、
あたたかいものが心に満ちるのを感じた。
現に、裏切り続けていた俺だけど、
実の母親にだって、見放された俺だけど、
しいなは、本気で俺のことを心配してくれていたんだな。
ああ、それが分かっただけで、十分だ。
十分だよ。
……ラブラブ……ゼロしいでラブラブっていったら、
しいなとゼロスがお互いに少し素直になった時ではないかと思って描いたらこんなんなりましたが、
なにか求められているのとは違った気がひしひしと……す、すいません!
因みにこのシーンはTOS本編のゼロス裏切り(未遂)シーンの後の仲間救出時をイメージしております。